Singleturn vs. Multiturn

2022年3月29日

ロータリエンコーダでは、シングルターンとマルチターンという用語が使用されます。シングルターンのエンコーダの場合、エンコーダシャフトの回転のたびに同じコードが繰り返し出力されるのが特徴です。エンコーダが 1 回転したのか、それとも 1000 回転したのかは判断できません。マルチターンのアブソリュートエンコーダの場合、規定の回転回数になるまで、各回転時のシャフトの位置ごとに出力が異なります。

マルチターンエンコーダは、例えば、ボールねじの回転数を測定して直線位置を出力する場合に使用されます。 規定の回転数に達した場合に特定の動作をさせることができます。電源 ON 時にシステムの厳密な位置を検出する必要がある場合は、電源 OFF 時でも回転数をカウントしておく機能を追加する必要があります。機械の電源が OFF のときに手でシステムを動かした場合に役に立ちます。

シングルターン仕様で十分な例としては、ハードウェア的に動作が 1 周未満に制限されているシステムがそれにあたります。例えば、左右それぞれに 30°しか回らない車のハンドルです。ハンドルの角度を測定するエンコーダは、0~60°の範囲の動きをカウントできればよいので、マルチターン仕様にする必要がありません。

また、この 2 タイプの区別としては、シングルターンエンコーダとして長針しかない時計を、マルチターンエンコーダとしては長針と短針の両方がある時計を考えてみるのもよいでしょう。どちらも 1 周で 60 カウントしますが、マルチターンだと (長針があると)、周回を 12 周までカウントできます。

マルチターンエンコーダの追加機能としては、電源が ON されていなくても回転数をカウントできることが挙げられます。ただし、この機能を実際に使用するには、回転数をカウントするためのオプションを追加する必要があります。具体的には以下の方法があります。

  • バッテリ電源: 電源 OFF 中もバッテリでカウント数を保持します。省電力設計で動きを検出します。
  • ギヤ: ギヤトレインで機械的に回転数を記録します。
  • 電源内蔵: 環境発電の原理を利用して、動くシャフトから発電します。この仕組みは 2007 年に導入されたもので、ウィーガンドセンサーを利用してエンコーダに十分な電力を生成し、不揮発性メモリに回転数を書き込みます。

Left: single-turn; right: multi-turn



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