Encoder resolution, accuracy and repeatability: What's the difference?

2019年7月28日

分解能

分解能とは、エンコーダによって検出される、最も小さい動きを指します。エンコーダのタイプによって異なります。

リニアエンコーダの場合は、分解能は測定幅 1 個の長さに相当します。一般的に µm で表され、極長 (単位: µm) を内挿分割係数で割ることで算出されます。印刷業界では dpi (インチあたりのドット数) で表されるのが一般的です。

ロータリエンコーダの分解能の単位は、arc 秒、arc 分、°、グラード、ラジアンです。ロータリアブソリュートエンコーダの場合、分解能は 1 回転あたりの測定部分または単位の数に相当します。例えば 分解能 13bit のロータリアブソリュートエンコーダだと、360°1 周の中に 213=8192 個の測定単位があります。ロータリインクリメンタルエンコーダの分解能は ppr (Pulses Per Revolution: 1 回転あたりのパルス数) や cpr (Counts Per Revolution: 1 回転あたりのカウント数) で表されます。ppr はある立ち上がりエッジからその次の立ち上がりエッジまでを 1 個のパルスとしてカウントし、cpr は両チャンネルの立ち上がりエッジと立ち下りエッジをそれぞれカウントします。cpr は ppr に 4 をかけることで電気的に算出できます。


cpr と ppr の図説


分解能は、下記のようにおおまかに分類可能です。

  • リニアエンコーダの場合:
    • 高分解能: 100nm 未満
    • 中分解能: 200nm~10µm
    • 低分解能: 50µm 超
  • ロータリエンコーダの場合:
    • 高分解能: 18bit 超
    • 中分解能: 13bit~17bit
    • 低分解能: 12bit 未満

必要な分解能以上の仕様を持つエンコーダを選定する必要があります。



精度

精度とは、出力があるべき場所にどれくらい近いかという指標です。実際の位置とエンコーダが出力した位置との偏差であり、簡潔に言うと、測定値の最大誤差のことです。

エンコーダの精度は、スケールの精度とリードヘッドが原因で生じる誤差の組合せで決まります。単位としては、ロータリエンコーダの場合は arc 秒や°が一般に使われ、リニアエンコーダはスケールの長さ単位あたりの µm (µm/m) です。なお、高分解能だからといって、高精度ということにはなりません。

取付け誤差がある場合

取付け誤差を排除した場合





繰り返し精度

繰り返し精度とは、同一の物理位置で複数回測定した測定値の最大誤差です。

単一方向の繰り返し精度は、同じ条件で同一方向に同じ物理位置を複数回測定した際の出力位置のずれを指します。電子ノイズ、温度ドリフト、コンポーネントの経年劣化により、同じ場所でも異なる値がエンコーダから出力されるようになります。繰り返し精度が明確に記載されていることは多くはありませんが、精度仕様には含まれます。繰り返し精度は概して、精度よりもおよそ 5~10 倍優れます (小さい)。

双方向の繰り返し精度は、同じ条件で別方向に同じ物理位置を複数回測定した際の出力位置のずれを指します。

繰り返し精度は非常に高いが精度は不十分、というシステムはありえます。図 6 に精度と繰り返し精度の違いを示します。繰り返し精度が良くても精度が良いということには必ずしもなりませんが、ロボットハンドの繰り返し動作を制御する場面など、さまざまな場面で、繰り返し精度はエンコーダにとって最も重要な要素です。

精度と繰り返し精度の違い

精度と繰り返し精度の違い

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